— y2sunlight 2021-06-07
JavaScriptではES2015*2015からモジュールがサポートされました。近年では、モジュールはサーバーサイド、クライアントサイド(ブラウザ)のいずれでも利用できます。
モジュールは一つのファイルとして定義され、外部からアクセスできるメンバ(クラス、関数、変数、定数など)にはexportキーワードを付与します。以下はStudentクラスの例です。
export class School { constructor(name) { // プロパティの定義 this.name = name; } } export class Student { // コンストラクタの定義 constructor(name) { // プロパティの定義 this.name = name; } // メソッドの定義 greeting() { console.log(`I am ${this.name}.`); } }
export構文
export let name1, name2, …, nameN; // 変数(var, const も) export function functionName(){...} // 関数 export class ClassName {...} // クラス
TODO 説明
モジュール内のメンバをインポートするにはimportキーワードを使用します。
import { School, Student } from './school.js' var abc_school = new School('ABC School'); var suzuki = new Student('Suzuki'); suzuki.greeting(); // I am Suzuki.
import構文
import { name, ・・・ } from module name: インポートする要素 module: モジュール
TODO 説明
モジュール名はNode.jsなどのサーバーサイドJavaでは拡張子を省略したパスを、ChromeなどのクライアントサイドJavaでは拡張子を指定したパス名を指定します。
モジュール内のimport要素に対して個々に別名をつけることができます。
import {School as MySchool, Student as MyStudent} from './school.js' var abc_school= new MySchool('ABC School'); var suzuki= new MyStudent('Suzuki');
アスタリスク( *
)を使用してモジュール内のすべての要素をインポートすることができます。但しこの場合、モジュールに対して別名を付与します。
import * as school from './school.js' var abc_school= new school.School('ABC School'); var suzuki= new school.Student('suzuki');
エクスポートする要素が1つのモジュールの場合、デフォルトのexport要素を宣言することができます。
export default class { constructor(name) { // プロパティの定義 this.name = name; } }
この様にデフォルトのエクスポートでは要素に名前(この例の場合はクラス名)をつける必要はありません。インポートは以下の様にして行います。
import School from './school.js' var abc_school= new School('ABC School');
モジュールを HTMLに適用するには、スクリプト要素の中でtype=“module” を使用します。import と export 文は、モジュールの中でのみ使うことができます。通常のスクリプト(type=“javascript”)の中では使えません。
以下は、上述のStudentクラスをインポートするChromeでの例です。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title></title> </head> <body> <script type="module"> import { Student } from './student.js' var suzuki = new Student('suzuki'); suzuki.greeting(); // I am suzuki. </script> </body> </html>
importキーワードの中のモジュール名は、ChromeなどのクライアントサイドJavaでは拡張子を指定したパス名を指定します。
CORS(Cross-Origin Resource Sharing)とは、直訳すると「オリジン間リソース共有」となり、コルスとも呼ばれます。オリジンとはドメインと似ていますが、プロトコルとポート番号を含んだ概念です。
つまり、CORSとは異なったオリジン間でリソースを共有する仕組みのことで、CORSを使わない場合は、セキュリティの観点から同一オリジンポリシーに従います。例えばXMLHttpRequestはその代表例です。
CORSはモジュールのインポートに対しても有効になります。従って、モジュールを使ったJavaScriptをローカルでテストしようとするときは注意してください。ローカルから HTML ファイルを読み込もうとすると、JavaScript モジュールのセキュリティ要件のために、CORS エラーが発生します。テストはサーバー経由で行う必要があります。
モジュールの機能は単独のスクリプトのスコープに対してインポートされます。インポートされた機能はインポートしたスクリプトの内部からしかアクセスできません。即ち、インポートされた機能はグローバルスコープから利用することはできません。
また、モジュールの場合、自動的に Strict モードになり、var命令の省略は禁止されます。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title></title> </head> <body> <script type="module" src="main.js"></script> <script> // local_schoolはモジュールの内部からしかアクセスできない console.log(local_school.name); // NG foo_school = new School('Foo School') //NG </script> </body> </html>
import { School } from './school.js' var local_school = new School('Local School'); console.log(local_school.name); // OK // モジュール内ではグローバルスコープを持つ変数が作成できない。 // global_school = new School('Global School'); // console.log(global_school.name); NG
export class School { constructor(name) { // プロパティの定義 this.name = name; } }