Category:無題 2005-06-18

プロとエキスパートの関係

私が駆け出しのプログラマだった頃(多分1980年代前半の頃だったと思います)、今となっては伝説の雑誌がありました。その雑誌の名は「ア・スキー」。月刊アスキーのパロディ版です。今から思うと、この雑誌を捨てずに取って置けば良かったと後悔しています。もう一度「ア・スキー」が見たい!

私の記憶が正しければ、この雑誌の中に無敵の二人の話が載っていました。彼らの名前は定かではありませんが、仮にヨン様とキム君としておきましょう。ヨン様とキム君はそれぞれに特技があります。ヨン様はBasic言語を聞いてアセンブリ言語を話す事ができます。一方、キム君はアセンブリ言語を聞いて機械語を話す事ができます。二人が協力すれば、Basic言語を瞬時に機械語に翻訳する事ができ、ROMライターに直接機械語を入力してゲーム用のROMが出来上がってしまうのです。本当に無敵のコンビです。

「プロとエキスパート」の関係は先に挙げた「ヨン様とキム君」の関係に似ています。コンピュータの世界では、コンピュータの専門家を「エキスパート」と呼び、コンピュータ以外の分野の専門家を「プロ」と呼ぶ事があります。「エキスパート」とは自分の専門分野の事を指し、「プロ」とは他の専門分野の事を指している訳です。従って、「プロ」はシステム化する適用業務の知識を持っています。一方、「エキスパート」はシステム構築またはシステム開発の知識を持っています。両者がコンビを組めばシステムの開発にとって無敵の存在になります。

通常、プロとエキスパートは一致しません。エキスパートを気取っているプロもいますが、どっちつかずの知識を持っている場合がほとんどでしょう。エキスパートもプロを気取ってしまう場合があります。エキスパートは、システムの開発が終わる頃になると、多くの業務知識が身に付いています。これを自分がプロになったと錯覚してしまうのです。確かに、その時点ではプロかもしれません。でも、数年先はどうでしょう?その時点で必要な業務知識を有しているでしょうか?答えはノーです。それぞれの専門分野の知識は日々進歩しているのです。

良いシステムを作るには、良いプロとコンビを組む事です。システムが完成した時、自分がプロになったような錯覚を覚えたなら、それは良いシステムです。


最終更新のRSS Last-modified: Wed, 12 May 2010 08:57:34 JST (2934d)