Category:40代からの挑戦 2005-10-21

40代からの挑戦

今度44歳になります。やは、この職業(ソフトウエアエンジニア)に就いて22年。いろいろな事がありました。 私はこの二十年余りの期間をエンジニアとしてどのように過ごしてきたのでしょうか?私は、20代の頃、エンジニアとして生きていく為に、年代ごとに習得すべきスキルの目標を立てました。即ち:

  • 20代 テクニカル (技術的なスキル)
  • 30代 エコノミカル(経済的なスキル)
  • 40代 ポリティカル(政治的なスキル)
  • 50代 ミシカル  (神秘的なスキル)

    (補足)お分かりでしょうが「ミシカル」とは「F.P.Brooks,Jr.; The Mythical Man-Month, Addison-Wesley, 1975」 から拝借しています。「人月の神話」はプログラマにとっての永遠のテーマで、最終的にケリを付けなければならない重要な問題です。

振り返ってみるとどうでしょう?20代の目標はある程度達成できたと思っています。では、30代の目標はどうだったでしょうか?

エンジニア人生の半分を過ぎ、最近、スキルの棚卸しをする機会がありました。そこで、私は大きな勘違いをしていた事に気づきました。それは30代に習得すべきであったエンジニアにとって必要な経済的なスキルについてです。私はこのスキルを、ソフトウエア生産に関する工程管理や品質管理と解釈していましたが、それは大きな間違いでした。もっと単純に考えるべきだったのです。そう。単に「経理の目」を身につける事で良かったのです。

確かに工程管理や品質管理も大切ですが、もっと大切なのは「儲かる仕事」をする事だったのです。理想的には「儲かる仕事」を選択的に企画または受注する。そして、その仕事に対して最大限の利益を追求する。その方法として工程管理や品質管理が必要になって来るのです。たとえ、工程管理や品質管理が成功したとしても、それが「儲かる仕事」でなかったら、結局の所、その成功はあまり意味のないものになってしまいます。私の以前の考えは非常に受身的なものでした。「与えられた仕事」が「儲かる仕事」であるか否は余り重要ではなく「与えられた仕事」を効率良く行う事がより重要だったのです。

「儲かる仕事」をするためには「経理の目」が必要です。この目が必要なのは、経営者や管理者だけとは思いません。エンジニアにもこの目が必要なのです。「経理の目」とは、何かを判断する時、それがどう利益に影響するのかを考える力です。仕事を選ぶ時、そして、日常的に発生する技術的な判断にでさえも「経理の目」は必要になってきます。こららの判断の積み重ねこそが最終的な利益を生み出して行くのではないでしょうか。

私は最近、一念発起し、本気で簿記の勉強を始めました。現在検定試験合格に向けて日夜勉強中です。そして、週末には経営セミナーにも参加し、財務や会計の講義を受けています。いささか出遅れた観はありますが、誤りを正すのに年齢は関係ありません。漢字がますます書けなくなり、暗算も段々できなくなる年齢です。専門外の事をするのは、若い頃の2倍の時間以上が掛かります。しかし、「40代からの挑戦」と称してがんばっています。

私は、20代や30代のエンジニアに声を大にして言いたい。「簿記を習得しなさい。決して損はしません。昇格、転職や職種変え、社内ベンチャーや第2創業、そして独立開業。どんな状況下に置かれても簿記は絶対に役立ちます」。簿記は専門外の専門としてエンジニアが身に付けるべき必須のスキルなのです。昔の人は上手に言ったものです。「読み書き、ソロバン」。今風に言うと「コンピュータと簿記」。どんな職種に於いても、この2つは専門外の専門として必ず我が身を助けてくれるはずです。

生涯エンジニアとして生きるなら「経理の目」をもって「儲かる仕事」をする事が大切だと思います。「儲(もうけ)」とは「信じる者」と書きます。自分を信じる事が儲けへの第一歩です。そして「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」という言葉があります。従って、自分を信じ、自分を変え、未来を変える。これが、「40代からの挑戦」の真に意味するところです。

この朝礼を書き終え、今、ふと気づきましたが、タイトルの「40代からの挑戦」は「プログラマの朝礼」の新しいカテゴリーの1つになりそうです。


  • 「40代からの挑戦」を新しい朝礼のカテゴリーにしました。ネタ的には当分大丈夫かも。 -- sunlight 2005-10-28 09:03:44 (金)

最終更新のRSS Last-modified: Wed, 12 May 2010 08:56:51 JST (2934d)