プロシューマの復活

先日(7/29)、大学の同窓会がありました。22年ぶりに再会した旧友たちは、ほとんど変わりなく大変楽しいひと時を過ごす事ができました。同窓会の場所は東京飯田橋でした。私は、兵庫県の北部(豊岡市)に住んでいるので、往復の移動時間が沢山あり、久々に多くに読書時間に恵まれました。往復で3冊の本を読むことができ、これもまた大変有意義な時間でした。その中の本の1つが、

「オープンソースがなぜビジネスになるのか;井田昌之・新藤美希著、MYCOM新書」

です。最近出版された本で「オープンソース」に興味のある私にとっては非常に参考になりました。そして、この本の中で、忘れかけていた本と再び再会する事になります。その本のタイトルは、

「第3の波;アルビン・トフラー著」

です。40歳以上の人は聞いたことのあるタイトルだと思います。そうです「トフラーの第3の波」です。 この本、25年以上前のベストセラーで、折りしも先日久々に会った同窓生の連中と毎晩酒を飲んでいた頃、出版された本なのです。トフラーは「第3の波」の中でプロシューマの復活を予言しています。「プロシューマ」とは元々、なんだったのでしょうか?

私自身、IT関連の仕事をしているので「プロシューマ」と言う言葉を何度となく聴いています。この言葉、「プロフェショナル」と「コンシューマ」を足して2で割った用語です。プロのコンシューマ、即ち「プロの消費者」と言う意味です。何のプロかというと商品のプロです。商品知識が豊富で、高度な使用方法を知っている人達です。「プロシューマ」と言う言葉ですが、私もこのような意味で使っていました。すっかり「トフラー」の事など忘れて。

昔、トフラーが語った「プロシューマ」とは、「プロデューサ」と「コンシューマ」を足して2で割った用語です。即ち「生産者」であり且つ「消費者」という概念です。弥生時代の農村風景を想像して下さい。人々は農村でコミュニティを形成し自給自足生活を営んでいました。農村にいる人たちは「プロシューマ」でした。これが第1の文明の波(農業社会)です。この状況は産業革命で崩壊します。資本家の手によって、コミュニティは引き裂かれ、「プロシューマ」は消費者と生産者に分離されます。「私食べる人、あなた作る人」というコマーシャルが昔ありましたが、第2の波(産業社会)は将にこの状況です。トフラーは25年前に、私達は第3の波(情報社会)に入り始めたと主張しました。そして、その担い手が「プロシューマ」である事も。

2001年、産業社会の象徴であるIBMが4,000万ドル相当といわれるソフトウェア Eclipse(エクリプス)をオープンソースのコミュニティに寄付しました。この時、なぜ、気づかなかったのでしょう。トフラーの事を。これはコミュニティの復活を意味します。そして「プロシューマ」の復活さえも。「オープンソースがなぜビジネスになるか」の中では、オープンソースの分野だけでなく、ブログやSNSなどにおいても、本来消費者であるはずのユーザが様々な分野で、生産者(情報発信者)としてのプロシューマになっていると説明しています。同感です。この説明で、やっと現在のインターネットで起こっている一連の状況を自分自身の中で定式化できそうです。

さて、私は心からプロシューマの復活を望んでいます。私の言葉でいうと「プロシューマ」とは「ニュータイプ」の事です。「ニュータイプ」とは1人で全部できる人間の事です。今の社会はなぜ、消費者と生産者を分けたがるのでしょうか? おそらく「私食べる人、あなた作る人」またはその反対で「私作る人、あなた食べる人」的な既得権益のためだと思います。「私は、安心できる好きなものを、自分で作って食べます」。私は20歳代の頃から「ニュータイプ」になる事を夢見ていました。「ニュータイプ」な人達は、消費と同時に生産と供給が出来る「暮らし」を基盤にしています。

インターネット、合同会社、田舎暮らし。「ニュータイプ」にとっての全ての条件は揃っています。後は実行あるのみです。ちなみに「合同会社」とは今年の5月に施行された「新会社法」によって規定されている新しい形態の会社です(日本版のLLC(Limited Liability Company)です)。合同会社は、アイデアと技術により「物」ではなく「人」によって利益を生み出すのに適した会社形態と言われています。まさに自立したエンジニアのための会社組織です。「ニュータイプ」な暮らしはすぐそこまで来ているように思われます。

今回の同窓会。本当にいろいろな事を思い出されてくれました。若い頃の旧友は大切にせねば。と思った次第です。最後にトフラーですが、最近「富の未来」と言う本を刊行したそうです。彼が25年以上前に語った「プロシューマ」が巷で話題になるかもしれません。


  • Yahoo! JAPAN掲載おめでとうございます やったね(^^♪今年の2月5日からずっと拝見させていただいてます。難しいプログラムの事も、その人の考え方や価値観が分かる朝礼も参考(色々と)になります。ますますの発展を!!!(#^.^#) -- アップル 2006-08-06 21:56:56 (日)
  • ここ2ケ月程、更新がないようですが、、どうかされましたか? -- 読者 2006-10-02 15:37:40 (月)
  • 大阪市在住 53歳男性 -- toka 2007-03-29 13:10:44 (木)
  • あれ? やり方間違った・・・ -- 2007-03-29 13:11:35 (木)
  • 私も「第3の波」読みました。「プロシューマ」は最も印象に残る言葉で、第3の波の社会で復活すると確信しました。いま「団塊の世代」について考えています。彼らがそれを最初に体現する(が多分失敗に終わる)ような予感がしています。 -- 先程のtoka 2007-03-29 13:19:33 (木)
    • 「プロシューマ」と「団塊の世代」ですか。なるほど、面白そうなテーマですね。ぜひ、考察してブログで公開して下さい。楽しみにしています。-- y2sunlight 2007-03-29 13:24:44 (木)

最終更新のRSS Last-modified: Wed, 12 May 2010 08:58:10 JST (2478d)